倒産とは?負の連鎖を断ち切る与信管理の重要性をわかりやすく解説

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取引先の与信管理を適切に行っていれば、連鎖倒産は防げます。

与信管理が甘ければ、未回収の売掛金が多く発生することになり、仮に取引先が倒産すれば債権の貸し倒れで事業継続できなくなる恐れが高くなります。

そこで、倒産による負の連鎖を断ち切る与信管理について、重要性をわかりやすく解説します。

倒産とは

倒産とは、企業が債務支払不能に陥ることや、経済活動を継続できなくなった状態を示す言葉です。

法律用語ではなく、1952年から調査会社の東京商工リサーチが開始した全国倒産動向の集計により知られるようになりました。

会社が経営破綻したり行き詰まったりなどの意味で使われることが多いといえます。

連鎖倒産とは

取引先の倒産により不良債権が発生し、その影響を受けて倒産することを連鎖倒産といいます。

元請け企業が倒産したことで、下請けが連鎖倒産することもあれば、親会社に子会社が連鎖するケースなども見られます。

倒産の種類

 

企業が債務の支払不能状態になったときや、経済活動を継続できない倒産には、次の2種類があります。

  1. 法的倒産
  2. 私的倒産

法的倒産

法的倒産とは、裁判所の関与の下、法令に基づき法的整理を行うことによる倒産であり、以下の手続があります。

  • 会社更生法に基づく更生手続
  • 民事再生法に基づく再生手続
  • 破産法に基づく破産手続
  • 会社法に基づく特別清算手続

会社更生法に基づく更生手続

企業が事業を継続させながら再建を図る再建型の手続です。

会社更生法の手続を申請した時点で倒産したとみなされます。

対象となるのは株式会社で、更生計画策定などに基づいて裁判所の指名した管財人が更生計画を遂行しき、再建を目指します。

民事再生法に基づく更生手続

中小企業が行う再建型の法的手続であり、民事再生法の手続を申請した時点で倒産とみなされます。

対象となるのは株式会社や特殊法人で、個人なども該当します。

現経営者が引き続き企業経営でき、債務超過や支払不能に陥っていない場合でも申請できます。

破産法に基づく破産手続

企業や個人が財産を清算し消滅させる清算型の法的手続で、今の倒産形態の8割程度が該当します。

経済的に破綻し、支払不能状態になったとき、裁判所が破産手続開始を決定して、保有する債務者の財産を換価し債権者へと分配します。

債務者自らが裁判所に破産手続を申請した時点で倒産とみなされます。

特別清算に基づく特別清算手続

債務超過に陥った会社の清算型の法的手続が特別清算です。

破産手続よりも厳格な手続は求められず、会社の選んだ清算人が財産を処分するため、簡易・迅速に会社を清算できます。

特別清算を申請した時点で倒産したとみなされますが、株式会社の解散を前提とします。

私的倒産

私的倒産とは、主に裁判所が関与する法的倒産手続を行わず債務を整理することです。

手形や小切手の不渡りによる制裁処分である取引停止処分を受けた場合も、私的倒産とみなされます。

私的倒産に該当するのは、以下の2つです。

  1. 取引停止処分
  2. 内整理

取引停止処分

手元に資金がなく、手形や小切手に指定された期日に決済ができなければ不渡りとなります。

同じ手形交換所管内で6か月以内に2度、不渡りを起こしてしまった場合の制裁処分が取引停止処分であり、処分を受ければ倒産したとみなされます。

取引停止処分を受けることで、手形交換所の加盟する金融機関で2年間は、当座取引や貸出取引は不可となります。

内整理

借金を整理するとき、裁判所を通さずに債権者と任意で話し合いを行って解決を目指す任意整理を、私的整理や内整理といいます。

支払不能または債務超過に陥ったときに、金融機関など債権者と話し合いを行い、債務や利息の一部免除や返済条件の見直しなどを行います。

法人の債務整理の注意点

 

企業が倒産したとみなされるのは、裁判所が関与する再生手続をとったケースや、債権者と負債整理の交渉行った場合などです。

なお、法人の債務整理で返済されなくなった借入金などは、連帯保証人が請求されます。

中小企業では代表者が借入金の人的保証を行い、連帯保証人となっているケースが多いため、代表者も債務整理が必要になる恐れがあります。

連鎖倒産の原因

中小企業が倒産する原因は、取引先の与信管理が十分にできておらず、売上金が回収できない状態になることです。

商慣習や一定回数の取引による安心感で、与信管理を行わず取引継続するケースが少なくありません。

与信管理の軽視は倒産リスクを高めると考え、適切な調査や分析を心掛けてください。

与信管理の基準

 

取引先の与信管理を行う場合、取引する金額には上限を設けることが必要です。

金額の上限を与信枠といいますが、何を基準に設定するのか、明確な規定を定めましょう。

与信枠を定める基準として考えられるのは、次の2つです。

  1. 自社の財務基準
  2. 取引先の財務基準

自社の財務基準

与信枠を自社の財務基準を参考にする場合は、複数の取引先に対して一定のルールをあてはめることができます。

ただし、それぞれの取引先に対し、柔軟な与信枠を設定したい場合は使えません。

取引先の財務基準

取引先の財務基準を参考に与信枠を決めるケースでは、それぞれの取引先に個別の与信枠を設定できます。

ただし、取引先の財務基準に関して、新たな情報を入手し続けることが必要です。

与信承認の流れ

取引先の与信管理では、新規の取引先(候補となる会社)と、与信を設定して取引を進めていく過程の与信承認が重要です。

与信承認では、以下の流れで手続を行います。

  1. 商談の開始
  2. 情報の収集
  3. 情報の評価
  4. 与信限度額の決済
  5. 契約の交渉

①商談の開始

これから取引を行う相手として妥当か、実際に取引先を訪問して調査を行います。

②情報の収集

以下の情報を収集します。

  • 取引先への訪問調査の情報
  • 信用調査会社などを利用したことで得た情報
  • 社内調査の情報

③情報の評価

収集した情報をもとにして、取引先として妥当か評価・審査します。

④与信限度額の決済

審査で問題がない場合、与信限度額を決めて取引開始を決裁します。

⑤契約の交渉

決裁後、取引先と決裁内容に従って契約交渉を行います。

与信承認後の管理

 

与信承認による流れを経て取引が開始しますが、取引開始後も取引先の情報は常に最新のものを収集し、しっかりと管理しましょう。

数年前まで順調に売上を伸ばし、業績も良好だった企業でも、業績が悪化している場合もあります。

他にも様々な要因で売上が低迷しているケースや、黒字から赤字経営に転落したケースなどもあり、新しい情報は常に収集し続けることが必要です。

取引先の経営状態が悪化したことを見逃せば、倒産リスクを高めることに繋がってしまうため、定期的に管理してください。

なお、与信承認の後で必要となるのは次の3つの管理です。

  1. 債権の管理
  2. 取引先情報の管理
  3. 問題案件の管理

債権の管理

取引先の売掛金は、期日に遅れることなく回収できているか、未収金の有無など状況を確認しましょう。もしも売掛金の支払いが遅れている取引先があるときには注意が必要です。

与信枠を超過していないかなど、確認しておくことも必要となります。

取引先情報の管理

取引先の経営状況がいつも良好な状態とは限らないため、定期的に取引先の最新情報を入手し、取引条件など見直しを行うことが必要です。

自社のみで独自に情報を収集する以外にも、多方面で情報を収集し倒産リスクに備えてください。

問題案件の管理

売掛金の支払いが遅れている取引先や、未払いになっている金額が大きい取引先など、先行きが不安でリスクが高い相手が倒産した場合でも、被害を最小限に抑えられる対策を講じましょう。

まとめ

取引先が倒産すると、自社も連鎖倒産するリスクが高まります。

連鎖倒産を防ぐためには与信管理が重要です。

与信管理は経営者の重要な業務のひとつであり、怠れば売掛金の未回収などが発生したまま手元の資金が不足し、事業を継続させることが厳しくなります。

ただし、経営者自身だけ与信管理することは難しい場合もあるため、専門家などに相談することをおすすめします。